ぺネロピ 監督: マーク・パランスキー

ペネロピ [DVD]

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貴族の家に生まれたものの、鼻がブタの鼻になる呪いをかけられた女の子ペネロピ(クリスティーナ・リッチ)が、呪いを解いてくれる王子様を探す話。と書くと昔風のラブ・ファンタジーのようですが、普通に現代イギリスが舞台で、むしろちょっと捻くれたコメディに近い感じ。

この主人公のぺネロピが、過保護な母親に人の目に付かないように監禁されて育てられたにもかかわらず、自分の境遇をちゃんと受け止め冷静に認識してるところが面白い。しかも、そんなペネロピを、「健気な強い女の子」としてではなくて、むしろ現代的でドライでかつちょっと屈折した性格として描いているのに、観ててとても好感が持てました。

そんなヒネた女子が誰にでもあるコンプレックスを乗り越えて自己を確立していく話の展開も含めて、観客である女性に対して躊躇なく自立を呼びかけるメッセージが気持ちいいなあ、と。映画のラストでは、自分の価値を男に依存すんな、と正面から訴えてるしね。

「セクレタリー」(感想)や「魔法をかけられて」(同じディズニー制作)もそんな感じだし、新しいタイプのフェミニズム映画が最近充実してるような気がします。日本では「さくらん」(感想)がそのポジションにある作品だと思うんだけど、どこか気負っているというか、女性でも自立するのは当たり前じゃん、つうあっさりした感覚があまりなくて、個人的にはイマイチなんだよねえ。