Googleブック検索について

本やマンガが好きな自分としては、文化の行く末に大きく影響するだろう著作権の話にとても興味があります。そこで、最近議論になっている「Googleブック検索」(http://books.google.co.jp/)について自分の思うところをまとめてみます。*1

  1. 大原則として、著者が自分の作品がどのように公開されるかを決めるべきである。
  2. Googleブック検索は、少なくとも今は、その原則にのっとって公開を進めている。
    • ブック検索・現在までのまとめ - IT's my businessを読んでそう判断しました。
    • ただし、著者の意思が分からない孤児作品は、文化の発展の立場から公開する。
      • よって、デフォルトを「公開」とする。非公開を望む著者さんにはお手数をかけますが、それぐらいは我慢してほしいなあ。
  3. よって、Googleブック検索に賛成。
    • 作品のステータスを一括で管理する仕組み(版権レジストリ)は、1で述べた原則を促進する可能性もある。
    • 手続きが分かりにくければ、版権レジストリの運用を改善していけばよい。

Googleブック和解案に対する不満?

上記が自分の考えですが、出版社団体等はGoogle和解案に反対し離脱を勧めています。例えばその一つが「出版流通対策協議会」なんですが、その声明を読んでも理由がイマイチはっきりしないんですよね。

Googleは何をしたのか
1 Googleは、世界の特定の図書館と契約を結び、その蔵書を無断でデジタル化(スキャニング)、ブック検索において表示使用し、現在もなお、その行為を続けている。
Google「和解案」とは何か
10 Google「和解案」は、Googleの無断スキャニングの行為を不問にするための金銭解決である(一冊60ドル)。
Googleが行ったことの我々の解釈
20 著作権法は、無形のものを保護する法律である。そして、無形の財産は、伝統的には本という有形の財産で流通してきた。Googleの無断スキャニングは、著者のオリジナルテキストから行ったものではない。本という有形の財産を不当に利用して行われたのである。
出版物(自社の本)は、自分で守っていこう──Google和解案にとるべき道──

このへんを読むと、ブック検索の仕組み自体に反対ではなくて、無断にスキャンされたことに不満があるのでしょうか。1冊60ドルでは手を打ちたくないぞ、と。他にも理由があるのか、良ければ教えてもらえると嬉しいです。id:TakamoriTarouさん。