コラテラル 監督:マイケル・マン

プロの殺し屋(トム・クルーズ)と彼を乗せてしまったタクシー運転手(ジェイミー・フォックス)が、いろいろありながらもお互いを理解していく渋めの映画。舞台となるロサンジェルスの夜景がとにかく美しい。

まず、冒頭のタクシーの女性客とジェイミー・フォックスの会話が、微妙な心理を小粋に表現しててナイス。つーか、あんな出会いであんな会話ができるような大人になりたいです、ホント。

問答無用の冷酷さとラスト・シーンで見せる孤独さを、いい感じのバランスで表現するトム・クルーズも問題なくカッコいい。トム・クルーズジェイミー・フォックスにシンパシーを感じたのは、やはり、仕事に対するストイックさなんでしょうか。たくさんの人をちらりと見つつ黙々と一人で仕事をこなすという意味では、殺し屋と運転手って似てるよなあ、と思ったりした。

というわけで出来としては悪くないんだけど、やはりマイケル・マンなら「インサイダー」の方をお勧めする。社会問題を絡ませた方が、男の孤独な戦いぶりが引き立つと思うので。☆☆☆☆