NHKスペシャル「タクシードライバーは眠れない 規制緩和・過酷な競争」2005年9月17日放送

大阪のタクシー戦争の下で労働条件と収入が悪化の一途をたどるタクシー運転手を取材したもの。こういう社会的弱者に関する腰の座ったルポを放送するのは、NHKのいいところだね。

特に印象に残ったのは、初乗り500円の「ワンコインタクシー」。従業員にまず100万円でタクシーを買わせるなんて、悪質なフランチャイズ商法にしか見えません。なのに、その被害者である労働者は組合を作って、会社に対抗するどころか、長い目で見ればさらに労働条件を悪化させる「タクシーの自宅持ち帰り」を国土交通省に訴えていた。状況が抜き差しならないほど、より簡単に経営者の論理に誘導されてしまうという、興味深い(がよくある)事例でした。