NANA 監督:大谷健太郎
女の子二人の友情を描いた、少女マンガ原作の青春映画。僕の興味としては、監督の大谷健太郎がどれだけ軽妙な会話劇に仕立て上げてくれるか、だったんですが。そうではなくて、原作を完璧にトレースすることに職人の喜びを見出すって方向の映画でした。実際、主役の二人の服装から、部屋の窓からの景色まで全く同じっつうのは凄いなあ、と関心はした。
でもですよ。トレースするだけなら原作を読めばいいわけだし、そもそも映画の尺が短いから原作よりあっさりしてしまうのは避けられない。例えれば、10分の曲の1番だけを3分間で完コピするような。で、普通そういうカバー(もしくはリミックス)は、アーティストが原曲をどのように変えるかが勝負なわけでしょう。まあだから、押井守みたいに原作者に文句言われるぐらいにやっちゃってよ、と言いたいのです。大谷健太郎はそれをできるだけの独自の持ち味があるわけだしさ。
トレースの話で言えば、美少年設定のシンちゃんと、しょうじ役の役者さんのあまりの大根が玉に瑕でした。☆☆
今ネットで調べたら、大谷健太郎の次作はあだち充の「ラフ」の映画化だと。あちゃー。
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