デスノート 11巻 /大場つぐみ、小畑健
ライトとニアの最終決戦にむけての準備段階。盛り上がってきてます。しかし、読んでてどうも歯がゆい感じがして、次の最終巻にあんまり期待できなくなってきた。その辺を長々と書いてみる。
まず、社会的な踏み込みが甘すぎる。デスノートの設定からして、死刑制度や少年法などの社会的政治的な問題に踏み込まざるを得ないのに、そこでの議論が薄すぎ。善人と悪人が一見して判別できるという、マンガ的過ぎる描写も気にくわん。ライトの裁きにおいては、マスコミやネットで犯罪者として顔写真を流された人を殺すことになるが、これでは確実に冤罪が起こるだろー。ライトの理想郷が最悪の総スパイ国家になるのは目に見えてるんですよ。しち面倒くさい裁判制度がなぜ存在するか、そのあたりの描写があれば、もう少し厚みのある話になると思うんだが。
ほんで、盤外戦に持ち込まずにあくまで推理モノとして決着をつけるとのニアの方針もどうよ。こんだけ大量に人を殺しておいて、それでも推理ゲームでお互いの頭の良し悪しの決着をつけたい、っつうのはねえ。人の命を何だと思ってるんだ、って言いたくもなるよ。ここまで来れば、異なる世界観を持つ者同士のルール無用の死闘に流れ込まないと嘘だろー。
- 作者: 小畑健,大場つぐみ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/05/02
- メディア: ペーパーバック
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