日本沈没 監督:樋口真嗣

小松左京SFの再度の映画化。災害パニックものの王道というか、テイストはまんま「ディープ・インパクト」や「アルマゲドン」ですね。大掛かりなスペクタクル+右往左往する政府首脳+恋人との別れ+自己犠牲。

ですが、売りのCG部分は8年前の「ディープ・インパクト」の都市崩壊にも達していない、というのが正直な感想でした。むしろ、監督が撮影監督をした「ガメラ」の方が気合入ってたような気がしたり。

そのうえ、脚本もイマイチ盛り上がらない。主役の草磲剛はただ日本をうろうろするだけで、ちゃんと仕事をするのは最終盤だけ、しかも最後の決断へと進む葛藤がほとんど描かれてないから、観客は「ああ、あの会話でそうすることにしたんだ」と後で気付くことになるという。

というわけで、ハリウッド的アクション映画を正面からやろうとすると、今の邦画の地力不足が露になるという見本のような作品でした。残念。☆☆★★★