NHKスペシャル「証言ドキュメント 永田町・権力の興亡」

日曜から火曜まで3夜連続でやってたNHKスペシャル「証言ドキュメント 永田町・権力の興亡」が相当面白かったです。自民党が、80年代まで盤石を誇りながら、90年代から没落していく様を、小沢一郎へのインタビューを軸に描いた番組。かな。

まずは、インタビューされる大物政治家たちのキャラの濃さ、脂感がハンパない。ヤクザ映画以上にギトギトしてる。自分的に一番ステキだったのは野中広務で、粘りつくような視線だけで権力の凄みを思い知らせくれます。

濃いオッサン連中が繰り広げる、派閥間の権力闘争も目が離せない。それぞれの思惑が絡み合いながらもある種の必然性を感じさせるストーリーで、ホント歴史って面白いよなあ。色んなところに伏線が仕込んであってさ。これは多分、素材の興味深さに加えて、編集したNHKスタッフの腕が素晴らしいんでしょうね。

というわけで、話として非常にエキサイティングでした!正直言って「官僚たちの夏」ドラマ版よりも百倍ぐらい面白かったです。

ついでに、政策面から興味深かったのは、民主党が2005年ぐらいに新自由主義的な政策から社民主義的な政策へ大きく転換したこと。当時はあまり気付かなかったんですが、今から見ると、これは結構大きいインパクトがあって、転換に至った理由、民主党内部の実情を知りたくなりました。経済団体や労働組合の思惑とかもあったんかなあ。

あと、小沢さんの「国民主権」に対する政治信条も良かった。一人一人が主権者として動くべきであって、お客様気分でいるんじゃねーよ、という話。まさか自分が小沢さんの演説に深く共感するとはなあ。あの話を聞いた後だと、コメンテーターとして出演した高村薫の発言「政党は説明責任を果たしていない」、「国民に未来を示して欲しい」には、何言ってんだと思ったよ。