啓示空間 /アレステア・レナルズ

すでに星間飛行技術が開発され、人類が宇宙に拡散しつつある25世紀。考古学者シルベステはある星で99万年前に絶滅した異星種族の遺跡を発掘していたが、そこでの発見は人類の生存をも左右するものであった。という、スケールのでかいハードSF。色んな話、伏線が絡まって延々と1000ページも続く大長編で、そろそろクライマックスかな、と思ったらまだ半分もいってなかったりする。

たくさんのアイデアてんこ盛りで面白さは十分。シルベステが巨大な石像と「サンスティーラー」を意味する文字を遺跡で見つけた頃、別の場所では「サンスティーラー」という名前の妄想に取り付かれて宇宙船の砲術士が死ぬ、など謎の配置も惹きつける。

しかしですね、1000ページもあるお陰で読んだ後の疲労感がなかなかのもので。時間があって腰を据えて取り組める人にしかお勧めできない。スケールの大きさのわりに登場人物は6,7人しかいないという変な密室感も、頭をクラクラさせる原因かも。☆☆☆

啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)

啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)