グエムル -漢江の怪物- 監督:ポン・ジュノ

殺人の追憶」の監督・主演コンビということで面白いに決まってるんですが、こちらの期待のはるか斜め上をいく作品でした。

荒唐無稽なアイデアとリアルな設定に、アクション、ホラー、パニック、家族愛、ブラックコメディ等々がぶつ切りにして放り込んであって、普通こういうのは元気のあるVシネ的映画になるはずなんですが、なぜか鑑賞後に重い余韻が残るという不思議。人間の多面性を描いてるから、かなと思うけどその理由がよく分からないんですよね。

説明しづらいけど、観て損はしない。はず。☆☆☆☆★

追記。この「重さ」は、映画が社会批判としての暗喩に満ちているからではないでしょうか。暗喩による映画と社会との関連性を全部スルーすれば、ただのB級映画になりそうな気がします。

例えば、娘を助けるのに軍隊・警察は何もせず庶民であるぼんくら家族が奮闘するという、映画のご都合主義そのもののような話が展開するわけですが、それがむしろ現代社会に対する批判的な暗喩として機能している。少なくとも僕はそのように感じたからこそ、「重い」という感想を持ったんだな、と考えたりしました。

公式:http://www.guemuru.com/