蒲生邸事件 /宮部みゆき

日本SF大賞受賞作品ということで、宮部みゆきを初めて読んでみました。

男子浪人生が1994年から1936年にタイムスリップし、2.26事件の渦中に放り込まれる歴史SF。と思いきや、途中から陸軍大将殺人事件を巡る推理小説になるというかなりアクロバティックな小説です。

戦前の生活のディテールを積み上げることで物語にリアリティーを与える技術は、さすがにプロですね。キャラもたってるし、スムーズに読めました。

ただ、SFを期待していた自分にとっては肩透かしだったかな、と。少し無理があるタイムスリップ絡みの設定に、物足りなさを覚えてしまいました。そんなところは物語にとって枝葉の部分であってスルーするべきなんでしょうけど。そんなわけで、個人的な評価で星をつけると、☆☆★★★

蒲生邸事件 (文春文庫)

蒲生邸事件 (文春文庫)