星を継ぐもの /ジェイムズ・P・ホーガン

1977年に発表されたハードSF。2028年、宇宙服を着たミイラ状の人間の死体が月面で発見されるが、なんと、その死体は死後5万年が経過していた。という発見から始まって、惑星・人類スケールの謎とその解明が連鎖していく話です。どのページを開いても科学上の発見とその解釈だけ、という力技のスタイルに惚れ惚れしました。

しかも、天文学、マクロ生物学、地理学、気象学などの、割とイメージしやすいマクロな学問分野を題材にしながら、それをつなぎ合わせて壮大なほら話をでっち上げるのが凄い。最近の量子力学を題材にすれば、元々の現象が人間のイメージを超えているので、読者を驚かせることは比較的簡単だと思うし、そういう作品はかなり読んだんですが。

イデアだけで勝負するSFの良さを堪能しました。満足。☆☆☆☆★

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)