「萌え」とは何か

アニメシリーズ「涼宮ハルヒの憂鬱」の先日の感想で、俺には「萌え」の良さがよく分からん、と書いたのですが、実際はその定義もよく分かってなかったです。で、ちょっと調べてみると、放送作家の岡野さんという方が懇切丁寧に説明されてて、非常に参考になりました。全文引用してしまうと、萌えとは

オタク的な文化が生み出した物(作品やキャラクター“など”)に対して、トキメキを感じること。

一般的なトキメキという感情が実に微妙で曖昧な状態であるのと同様、単純に「カワイイと感じること」である場合もあるし、「恋愛感情、あるいはそれに類する擬似的な感覚」を抱く場合もあるし、「なんかキュンと来る感覚」である場合もあるし、「性的欲求を喚起される気分」である場合もある…と。

ただ、全く同じであれば何も違う言葉を用いるようになるには至らなかったわけで、厳密に言えば似て非なるものではある。

その非なる部分を占めているのが「オタク的な文化が生み出した物に対して〜」という部分。

オタク文化から生まれ、「オタクの持つ“後ろめたさ”がありきである」という部分をカバーするのにもイメージがマッチングし、かつ使いやすかったのがこの“萌え”という言い方である。

個人的に分かりやすかったのが、「後ろめたさ」というキーワード。例えば、「涼宮ハルヒの憂鬱」の典型的な萌えキャラである、巨乳・童顔・天然・健気な女子高生「朝比奈みくる」のキャラクターなんて、あまりにベタかつ童貞的な妄想入りすぎで、両親や女友達に向かってこんなタイプが好き、なんて言える訳ないですから。女性から見れば気持ち悪い(と思われる)、性に関する男の湿った感受性が萌えなんだろうな、と納得しました。

ただ、そういう感受性に後ろめたさを感じず、朝比奈みくるが好きと屈託なく言える男もいるだろうとも思います。その辺の感性は人によるから何とも言えないけど、個人的には引いてしまうかも。

↓この表紙が朝比奈みくるです。正直、ハードなエロ本より買うのに勇気がいる。

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)

追記:ブログ「シロクマの屑篭」の2006年5月4日のエントリーでは、最近の「萌え」の拡散、後ろめたさの減退についてオタクから苦言を呈していて面白い。