ハイ・フィデリティ 監督:スティーブン・フリアーズ

ハイ・フィデリティ 特別版 [DVD]

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どうしようもない音楽オタク(ジョン・キューザック)が、彼女に振られたことを契機に嫌々ながら自分を見つめ直す話。主な用途としては、ボンクラなオタク男が自分を投影して自虐的に笑って楽しむ映画です。たぶん。

で、自分はそういうボンクラの一人であるんで、ストライクゾーンど真ん中で楽しく観れました。特に、ジャック・ブラックがいつものキャラ(「スクール・オブ・ロック」とか)で演じるレコード屋のバイトがいいねー。こいつが「人間の価値は人格じゃなくて趣味の良さで決まる」と公言し、そして自分の趣味が最高だと信じて疑わないっていう最悪の店員なんですけど、オタクどもには絶対にこういうところがあるよなあ。

例えば、ジョン・キューザックが「歴史的なロック・アルバム10枚」として古典的作品にマッシヴ・アタックを混ぜたリストを挙げたところ、ジャック・ブラックが「姑息な野郎だ!」と罵倒するシーン。このシーンは普通の人には難しいかな、でもそれに笑える俺ってカッコイイ、と思ってしまうわけですよ。ねー、キモいねー。

あー、あと、ヒロインの彼女のキャラクターも、オタク妄想が入ってるような気がしてきた。エキゾチックな美人で、堅い仕事で稼いでて、ちょい捻くれたユーモアがあって、どうしようもない自分を叱ってくれて、でも奥底にある自分の良さを分かってくれてる、みたいな。列挙するとこれはイタいな...

うーん、冷静に考えると鑑賞時の楽しさが薄れてきそうなので、このへんで終わる。

●感想リンク

暑苦しいのは“アニメオタク男たち(or元増田)”だけじゃない! - 想像力はベッドルームと路上から:ここで紹介されてる映画の解説文がキモくて格好良い。あの、今さら確認するまでもないですが、キモいぐらいに我を忘れてなければロックじゃないし面白くないっす。だからキモいのが正しい。当然ですよ。