プラネット・テラー 監督:ロバート・ロドリゲス

アメリカの片田舎でゾンビが暴れる、由緒正しいゾンビ映画。「バタリアン」(感想)などに連なる伝統として、ゾンビ発生の原因はもちろん米軍の毒ガス兵器です。昔のB級映画を再現するというテーマで作られて、タランティーノ監督の「デス・プルーフ」(感想)と同時上映されました。

擦り切れたフィルム風な映像や唐突なお色気シーンなど、古典的なB級映画の雰囲気を演出してはいるけれど、序盤から目を離させないスピーディーな話の運びはかなり今風でした。そういう意味では、中盤で繰り出される反則としか思えない話のショートカットは、それ自体が大爆笑なネタであるうえに、昔と今の映画のテンポの違いを象徴していて興味深い。

かつてのB級映画をそのまま再現というよりは、B級映画を今の感覚にアップデートした作品で、今の若い人が観てもけっこう普通に楽しめるんじゃないかなあ。