スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 監督:ティム・バートン

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 (Blu-ray Disc)

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 (Blu-ray Disc)

19世紀ロンドンを舞台に、顔色の悪い床屋(ジョニー・デップ)が、ミートパイ屋のおかみさん(ヘレナ・ボナム=カーター)と協力して、妻子を奪った変態裁判官(アラン・リックマン)に復讐する話。ダンスはしませんが、一応ミュージカルです。そのうえ、大量出血死シーンが山ほど出てくるので、そこも注意。

映画の序盤は、非常に暗い陰鬱な画面とゆっくりした展開でイマイチのれないなあ、と思ってたのが正直な感想。

ですが、死体処理の苦肉の策として死体の肉を使ったミートパイを売り出したところ、何とこれが大ヒット!、というブラックすぎる方向に話が加速する中盤からめちゃめちゃ楽しくなりました。ジョニデの床屋も復讐そっちのけで無差別殺人(と原料調達)に勤しみだして、手段と目的を盛大に取り違える様が素晴らしすぎる。大笑いしながら観られました。

また、不況下で常に薄暗いロンドンの街並みも美しかった。石畳の上に大量の鮮血が花を添えてて。まさにゴシック。

実は、やっとプレステ3を有効活用して、今回初めてブルーレイ・ディスクで鑑賞しました。やっぱりDVDとは鮮明さが一段階違ってて、人物の表情や煉瓦の壁がいちいちクッキリしてて溜息モノ。満足でした。

●感想リンク

誰も救われることのない、狂おしくて惨い顛末はあまりに哀れで、そしてこの完璧な悲劇を美しいと思いました。
『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』 - 真魚八重子 アヌトパンナ・アニルッダ

自分のような鈍感な野郎には触れるのもおこがましいと思える、そんな美しさを気付かせてくれる感想。最後の段落なんかは読んでて胸を打たれました。