NHKの戦争特番
NHKがさかんに戦争関連の番組を放映していますね。録画したやつをまだあまり観ていないんですけど、とりあえず、NHKスペシャル「日本海軍 400時間の証言 第1回」と、兵士たちの戦争シリーズ「人間魚雷 悲劇の作戦 〜回天特別攻撃隊〜」は素晴らしかったです。
自分は戦争モノが大好きで、それは、戦争において人間の狂気が最大・最悪の形で現れるから。2つの番組は、そんな自分の興味をたっぷり満たしてくれました。ちょっと語弊がありますが。
「兵士たちの戦争」は、回天作戦に一兵士として関わった人たちに対する聞き取りをまとめたものです。現場レベルではほとんど無意味だと分かっていた自殺作戦に、若者たちが次々と動員されていく極限状況がインタビューから伝わってきました。生きたいという生物としての本能を、「滅私」という使命感で封じるギリギリな感じがすげーヤバい。
また、実際の成果よりも自分をいかに犠牲にしたかを重要視する、日本のハラキリ文化の伝統を感じさせもして、背筋が寒くなります。
一方、「NHKスペシャル 日本海軍 400時間の証言」は、海軍司令部(軍令部)の幹部たちによる戦後の非公開反省会に関して、その時の音声記録をまとめた番組。
こっちは、現場から遠く離れた司令部の様子がリアルにイメージできました。平たく言うと、派閥闘争と予算獲得の原理で動く、よくある官僚組織なんですね。数人の会議で適当に作文して、人脈使って上役にハンコ押させるわけ。
だから反省会で語られる話も非常に範囲が狭い。太平洋戦争の戦略や大義なんて話題にならなくて、司令官の誰それがどうした、海軍省の動きがなになに、日々の仕事で忙殺されてどうこう。
で、その結果として百万人単位で人が死んでいくんですよ。そのギャップが凄まじくシュール。番組最後で紹介された反省会のテープでは、「あの作戦はなかったよなあ」「わははは」みたいなのが入ってて、もうちょっと鳥肌ものでした。
こっちも戦争という巨大な狂気の一端を確実に捉えてると思った次第です。いやー、NHKはいい仕事するなあ。
公式サイト: http://www.nhk.or.jp/special/onair/090809.html
●8/8-10のtwitter
- movie: 「この自由な世界で」。ケン・ローチのイギリス映画だけど、状況は「ウシジマくん」や「ファースト・フード・ネーション」と全く同じだね。弱い立場にいるとあっという間に裏社会に落ちる。
- movie: 「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」。ギレルモ監督のキモ可愛いクリーチャーがわんさかでてきて嬉しい。最低限に絞った話にして良かったと思うよ。
- comic: 「百舌谷さん逆上する」3巻。高濃度のネタの詰め込み方が、2巻ではとっちらかった印象だったんだけど、3巻では物語が収束するようになってて超良かった。感動した。
- comic: 「バクマン。」4巻。このマンガの一番の売りはマンガ製作現場ルポにあると思ってて、業界が大きく変わりそうなこの時期に出たのはある意味幸運だったかもなー。
- comic: 「Real Clothes」6巻。とにかくお仕事マンガにしたいのな。派遣社員が出てきたけど、ちゃんと労働問題として扱われんのかねー。
- TV: NHKスペシャル「日本海軍400時間の証言 1 開戦」。海軍軍令部が派閥闘争や予算獲得のために無謀な日米開戦を推し進めた話。海軍内の政治力学と結果の甚大さのスケールの違いにブラックコメディとして笑えるほど。
- TV: 「アメトーーク」さんまがゲストで延々とマシンガントーク。やっぱ上手いなあ。どんな話でもオチまで結構短くてテンポがいい。もはや無意識でオチを作ってる感じがする。
- TV: 「オトメン」2話。1話で慣れたからか、意外なほど寒さが気にならず。むしろ脚本がしっかりしててちゃんと観れるかも。
- TV: 「リミット 刑事の現場2」。雰囲気はいいけど、若干の脚本の無理が気になる。ARATAは良い狂気系役者になったなあ。
- TV: 「検索ちゃん」。南海キャンディーズがゲスト。しずちゃんが処女だって初めて知った。
- music: ラジオ「サイプレス上野の日本語ラップキラッ!2008/10/19」。日本語ヒップホップ、さいこー!http://www.nicovideo.jp/watch/sm5306978