零式 /海猫沢めろん

東暦2000年、帝国による植民地とされ、鎖国状態に置かれた神國を舞台に、バイクを駆る少女の冒険を描いた、歴史改変モノかつサイバーアクション。

チップの脳内埋め込みによって自我を無くした侍達を兵隊として使う極右カルト集団「大零翼賛会」、極細のハードワイヤーで編まれた着流しを纏い二刀を振るう半サイボーグの老人、V型8気筒を2つ重ねた馬鹿でかい少女のバイク、等々、出てくる設定やマシンは非常に魅力的。様々な要素、伏線が収斂する後半の疾走感もかなりのものです。

というわけで、サイバーパンク好きとしてはもちろん楽しく読めたんですが、キャラの内面やキャラ同士の交流の描写が弱いような気がする。そこだけ、惜しい感じ。

零式 (ハヤカワ文庫JA)

零式 (ハヤカワ文庫JA)