トゥモロー・ワールド 監督:アルフォンソ・キュアロン

西暦2027年、何故か子どもが生まれなくなり、崩壊の瀬戸際に立つ世界で、しがない男(クライブ・オーウェン)がある移民女性の逃亡を手助けする話。映画でハードSFというのも珍しいけど、これは紛れもなくハードSFです。

粗筋からするとCGてんこ盛りに思えますが、どこに120億円かけたのかよく分からない、ほぼ実写の渋い絵作りで、物語も派手な展開はありません。でも、そのお陰で、子どもがいない世界の絶望感が、現実味を持って迫ってきます。

特に、暴力が荒れ狂う最後の戦場のシーン(十分近くの長回し!)は、映画史上に残るほど凄まじい。暴力とそこで訪れる一瞬の奇跡の対比が本当に感動的であって、哲学的な雰囲気すら漂っているほどですよ。ホント凄かった。

よく知らないけど、電気自動車もエンストすんのかな。そこだけ気になったり。