カラマーゾフの兄弟 /ドストエフスキー

帝政ロシア末期、片田舎の成金であるカラマーゾフ家の父とその3兄弟が、金と女のことで互いに罵り合う3日間。という概要からは想像もつかないほどの、ずしっとした重量級の作品でした。文庫5冊という分量に留まらない、作品の凄みがハンパないです。

女に会いに行く数千円を借りるために走り回る話から、神の存在と不在に関する深遠な議論まで、人生の次元を網羅した様々な話がぶち込まれてるうえに、どのレベルでも高密度のドラマが繰り広げられることが、この凄み、深み、圧倒感の元かと。さらに登場人物のテンションがやたら高いので、途中で読み止ることもできないし。美味くて高カロリーの料理を、映画「セブン」の冒頭のように無理やり腹に詰め込まれる感覚が味わえると思いますよ。

当然、読み終えて色々語りたいこともあるんですが、読み疲れたのでこの辺で。

ブログ「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」によると、「東大教師が新入生にすすめる100冊」の1位とのこと。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)