クラッシュ 監督:ポール・ハギス

ある一日のロサンジェルスを舞台に、様々な立場の人たちがお互いにすれ違い傷つけあう様子を描いた群像劇。自分のつらい生活や経験から、他の人を人種によってレッテル張りし見下すことを止められない、人間の内面に存在する人種問題が映画のテーマかと。

それぞれの登場人物がそれぞれの思惑で動きつつ、互いに交差することでドラマが動いていく展開が、非常にスリリングでした。伏線と全く気付かなかった些細なことが、後に話のきっかけになり、さらには小さい奇跡さえ起こす、というような。いくつものエピソードが重ねられて、人の内にある人種問題という映画のテーマが総体として浮かび上がる様は、タペストリーが一本の糸から編み上げられていくのを観る快感に近いような気がします。

ブログ「Something Orange」の感想:http://d.hatena.ne.jp/kaien/20071123/p2 (少しネタばれあり)

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