映画鑑賞における設備の重要性を訴える

ガイナックス(ナディアやエヴァを作ったアニメ制作会社)の偉い人に対するインタビュー(おもしろさは誰のものか:違法と合法の敷居があいまい──作り手から見た「YouTube」、ガイナックスに聞く - ITmedia News)を読みました。

同人誌やネット上の無断転載など著作権関係の問題について全面的に話していて面白いのですが、特に、ネット上の動画サービスでアニメを観ることに関して個人的な意見を話したところにぐっときました。引用すると、

それに、やっぱりこれはもう、純粋につくり手側の勝手な言い分かもしれないんですけど、YouTubeで「エヴァンゲリオン」の劇場版を観たら、損だと思うんですよ。いや、別に大スクリーンだとか、おっきい100インチ液晶で観ろということではなくて。しかしその……、きっちりとした絵で観てもらったときの最初のインパクトを、アニメでは楽しんでもらいたいなあ、っていう気持ちはありますね。

 つくり手は観てもらうメディアを考えてつくっていますから、あるべきメディアで観てもらうのがアニメは一番楽しいはずなんですよ。もちろん軽く観るアニメもありますし、それを決めるのはお客さんのほうなのですが、つくり手側としては視聴者に観てもらうところまで含めた「演出プラン」があるわけです……。

 観る環境やらタイミングやら含めて「劇場版」は劇場で観るのが一番面白いようにつくってあるし、DVDはパッケージや解説書まで含めて作品全部をより深く楽しんでもらえる仕掛けもしてある。だから、「つくり手」の「演出プラン」をぶち壊しにする行為には腹は立ちます。

そうだよ!消費者も作り手の「演出プラン」を意識して作品を鑑賞すべきですよ!

映画の話をすると、実際、映画を観るときの設備・環境によって、同じ作品でも味わえる感動ってもう全然違うと思うわけです。うちでは、映画館に少しでも近づけようと、プロジェクター、100インチスクリーン、5.1Chアンプのホームシアターセットを導入してるんですけど(お金もないのに)、それでも映画館で観るのに比べるとやっぱり面白さが減ってしまう。このブログで付けてる☆評価で1つぐらい落ちる感じ。(なのでテレビ放映された映画なんて基本的にありえない、って話はまた今度詳しく。)

設備の重要性って映画だけでなくて、何にでも共通する話のはずです。音楽なら、MP3をネットで落してパソコンで聴くのと、CDでちゃんとしたステレオで聴くのとは雲泥の差だろう、と。マンガでも、マンガミーヤでパソコンで読むより、単行本でページをめくりながら読む方が「面白い」と思えるはず。

そういう主義を持つ自分としては、このブログ記事で紹介されてる事実がちょっと信じられません。

「以前からアニメを見ていたが、今はコメントがないとアニメが見れなくなった」という人間が増えている。

なんで監督の演出にはないノイズをわざわざ載せて観るの。アニメ好きを自認するなら、まず1回目はハイヴィジョンで正座して観ましょうよ。ってね。

でも、こういう意見の人って、ネットをざっと見た範囲だと自分と同世代か上だけなんだよなあ。偏狭すぎると思われますか?そうなら、今後あんまり言わないようにします。