蠅の王 /田中啓文

蝿の王 (角川ホラー文庫)

蝿の王 (角川ホラー文庫)

悪魔「ベルゼブブ」の封印が解かれ、悪意を持った虫の大群が人間を襲いはじめる話。

のはずだけど、悪趣味な描写が延々続いてたという記憶しかないです。ここでの悪趣味さっていうのは、ゴキブリとか排泄物とか寄生虫とか獣姦とか、お茶碗によそったご飯が全部蛆虫だとか、太った女の○○を公開で○○とか、幼稚園児を面白半分に大量殺人とか、吐かれた痰で一面ネバネバの畳とか、どれだけ読者を不快にさせるシーンを思い付けるか大会って感じの悪趣味さ。こういう内容が600ページ以上にわたって濃密に続くんで、読み終わった時には本気で気持ちが悪くなりました。帯には「超B級伝奇SFホラー」と紹介されているんですけど、確かにB級ってレベルじゃねーわ。

さらに話の展開も悪ふざけしすぎ。クライマックス付近でただのダジャレネタを連発されたときには(この作者の十八番なんですが)、もう本当にどうしようかと思いましたよ。その辺も含めて、悪趣味な話であるほど喜ぶような変態さん達にのみお勧めです。

関係ないけど、「蠅」という漢字の形って嫌な感じがしますね。