ザ・マジックアワー 監督:三谷幸喜

マフィアのボス(西田敏行)に伝説のヒットマンを連れて来いと命令されたチンピラ(妻夫木聡)が、その場しのぎに売れない映画俳優(佐藤浩市)を代役に立てることを考える。映画の撮影シーンだと聞かされたその俳優は、ヒットマンを熱演するうちにボスにも気に入られてしまう...というドタバタなコメディ。粗筋からも分かるように、古き良きシネマの世界です。

ほんで、もう結論から言うと、三谷幸喜のこれまでの映画のなかでも、今作はおそらく最高傑作ですよ!

まず映画前半では、俳優が凄腕の暗殺者だと思っているマフィアと、撮影だと思いこんでる俳優と、バレたら死ぬ運命のチンピラが、絶妙な会話を転がしてくわけですが、それがやたらと面白い。設定としては全く古典的なのに、西田敏行佐藤浩市のノリノリの掛け合いには、映画館なのに声を出して笑ってしまいました。

さらに後半になると、三谷監督の映画への愛情が爆発してるのがたまらんです。フィクションとしての映画が現実を超える瞬間(これが「マジックアワー」だな)を作ってやるという、作り手としての野望をここまで前面に出してくるとは正直驚きました。映画への愛情を正面から叩きつける様に、感動して少しうるっとしちゃったよ。

いやー、映画って本当にいいもんですね!

●感想リンク

キネマの時間 - 虚馬ダイアリー:これを読んで観にいこうと思いました。力の入ったお勧め文です。

公式サイト:オシャレな壁紙があります。

三谷幸喜インタビュー:映画マニアトークしてる。