温暖化の主要因は二酸化炭素

今回は、ちょっと本業に近いエントリーを書きます。

地球と一緒に頭も冷やせ! - 池田信夫 blogという記事に次のような記述がありました。

かりに温暖化しているとしても、その主要な原因がCO2かどうかは疑わしい:IPCCの報告書でさえ、「人為的なCO2排出が温暖化の原因だ」と書いているだけで、それが最大の原因だとは書いていない。人為的な要因があることは明らかだが、その比重が50%なのか0.01%なのかは不明だ。線形の因果関係がないので、その排出量を削減すれば温暖化が緩和するかどうかもわからない。

IPCC第四次報告書概要(気象庁による和訳)では、明らかにCO2が主要因と書かれているように読めます。

温暖化に対する様々な要素の寄与を「放射強制力」*1という値に換算した分かりやすいグラフが付いているので、そのまま転載しておきます。本当は色々と注釈付けて引用するべきだけど面倒臭いので、興味のある人は(少なくとも温暖化問題に一言言いたい人は)元のPDFを参照してください。

一応断っとくと、この概要は一般の人用にまとめたもので、普通の人はこちらをまず読んでね、という性質の文書です。専門的な論文ではありませんので、気候という科学分野に詳しくない方でも(少なくともどこかの大学で先生をしている方なら)、理解できると思われます。

ほんで、あんまりIPCCをなめんなよ、って思います。

※2009年11月5日に追記。

*1:放射強制力とは?: 温室効果ガスのような気候変化を引き起こす要因の影響は、しばしばその放射強制力として評価される。放射強制力とは、気候に影響を及ぼす要因が変化したときに、地球-大気システムのエネルギーバランスがどのように影響を受けるかを測る尺度である。「放射」という語が入るのは、これらの要因が、入射する太陽放射と、地球大気内の外向き赤外放射の間のバランスを変化させるからである。この放射バランスが地球の地上気温を制御する。「強制力」という語は、地球の放射バランスがこれにより通常からずれた状態に押しやられていることを示すために用いられる。放射強制力は通常、「大気上端で測った地球の単位面積当たりのエネルギー変化率」として定量化され、「W/m2」で表される(FAQ2.1 図2 参照)。ある要因や要因グループの放射強制力が正と評価されたならば、地球-大気システムのエネルギーは最終的に増加し、このシステムの温暖化をもたらす。対照的に、負の放射強制力は最終的にエネルギーを減少させ、システムの寒冷化をもたらす。気候研究者にとって重要な課題は、気候に影響を及ぼすすべての要因と強制力として働くメカニズムを明確にし、各要因の放射強制力を定量化し、要因グループからの総放射強制力を評価することである。(IPCC第四次評価報告書第1作業部会報告書 概要及びよくある質問と回答, FAQ2.1,BOX1)