ベスト&ブライテスト /デイヴィッド・ハルバースタム
ベトナム戦争にのめり込んだアメリカ政権内部の動向を、膨大なインタビューからまとめた1972年出版のノンフィクション。膨大な事実と思惑の積み重ねをそのまま記述しようとした力作で、戦争という物事の巨大さに圧倒されます。
あまりにたくさんの側面があるんですが、特に「現実主義」の危うさが印象に残りました。現実に即して政策を決めるのは当たり前であり、そこでわざわざ「現実主義」を掲げることは、国際法等の筋論を無視し、さらには採りうる選択肢を狭めることになるよなあ、と。わざわざ政治家が「現実的」と言う場合はたいてい現実から遊離してるぞ、という良い警告ですね。
さらに、イラク侵攻と、ベトナム戦争との共通点の多さに驚いた。歴史は繰り返すねえ。☆☆☆★★
ブログ「でがらし的読書日記」での紹介:http://d.hatena.ne.jp/degarasi/20061029
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