王狼たちの戦旗 全5巻 /ジョージ・R・R・マーティン

王狼たちの戦旗〈1〉―氷と炎の歌〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)

王狼たちの戦旗〈1〉―氷と炎の歌〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)

王狼たちの戦旗〈5〉―氷と炎の歌〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)

王狼たちの戦旗〈5〉―氷と炎の歌〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)

「七王国の玉座」に続く、大河ファンタジー氷と炎の歌」シリーズ第2幕。あまりに多くのエピソードが絡みあっていて要約する気にもなれないため、粗筋は書きません。(王狼たちの戦旗(1)(2)/ジョージ・R・R・マーティン - 猫は勘定にいれません、に惚れ惚れするほど簡潔なまとめがあります。)

というのは、まず物語の主要勢力だけでも把握できないほどあるんですよ。話の舞台である「七王国」では4つの勢力が覇権を競っているうえに、混乱に乗じて暴れるバイキング、正体不明の北方蛮族、魔術を使う海外組などなど。さらに、権力を握る貴族だけではなく、ただの馬丁や幼児から伝説に残る偉大な王まで、各階層を網羅する人々が出てきます。主要な登場人物だけでも百人以上いるんじゃね、という。そして、これら多くの人々が、時には英雄的な行為をし、時には馬鹿な振る舞いをして、少しずつ歴史が進んでいく、という趣向の小説なのです。

まあ、この重層的な展開がたまらなく楽しくて、時間を忘れてのめり込めるわけですが。なので、単行本10冊読み終わってもまだ序盤の気配なのが恐ろしくはあるものの、とりあえず星は5つにしておきます。